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読書:「侘び・数寄・余白」

若い頃は欧米の美意識に憧れ
色々と勉強しましたが
やはりその後
日本ならではの美意識の
素晴らしさに辿り着き
ずっと勉強しているのですが
とにかく奥が深いんです。

この本もまた題名に惹かれて
購入しました。

読書:「侘び・数寄・余白」_f0202785_22354611.jpg

「日本論」「日本の方法論」といった内容で
知りたかったことが分かりやすく
詳しく書かれていて
濃厚な内容ですごく勉強になりました。
興味のある
日本人の「負(引き算)の美意識」や
「見えないもの」を「魅せる」
究極の「負の想像力」など
著者の知識の豊富さと分析力がすごいです。



<文中より>
日本には描ききらないで塗り残す
描き余すという
「余白」という美学が
あるわけですけれども。

例えば枯山水(作庭)というのは
水を感じるために水を抜いたわけですね。
水を感じるなら遣り水や池泉でもいい
しかし、そうはしなかった。
水を抜いてしまった。
そこを深く見ていくと
そこには「マイナスの方法」といいますか
「引き算」というか
「負のはたらき」というか
そういう、引きながら前に出るような
積極的なメソッドが
はたらいているというふうに
見えてきます。
そこには実在の山水よりも
「思えば山水」というものがあるわけです。
まさに「心にて、ふさぐべし」(想像の負)
ということです。
全部を事実で満たさない。
むしろ仮のものを加えていく。
ヴァーチャルな山水であればこそ
かえって「思えば山水」になりえたんです。




日本人の美意識(想像力)の奥深さは
素晴らしいですね。

見えないものを見るように、あるいは、
見えないものを感じるように
ものをどういう風に見るのか、、、
どの角度から見るのか
どれとどれを比較して見るのかなど
ものの“見方”っていうのは
本当に大切ですね。

そして、この本を読んで
今まで自分達が目指してきた道(美学)は
これで良かったんだと
再確認出来ました。




by rondeism2 | 2016-02-26 21:34 | 読書
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