これは私が最も尊敬する宮大工の棟梁の言葉です。
職人というのは一歩一歩の積み重ねが大切で途中を端折ることは出来んのです。 技を身に付けるのに早道はない。あせったらあかんのです。
今の人は先に金勘定をするところがあります。あそこに行ったらいくらくれる。ここはいくら。ならば高い方に行こうと。 こうなりますけれどもそうやなしに本当に仕事に打ち込んでやれと。
私達宮大工はノミやカンナを使ったりしますけれども道具はモノではないと。 自分の肉体の先端やと考えて砥ぐのも魂込めにゃなりませんし 使う時もその覚悟で自分の魂を木に打ち込むというつもりでやってもらいたい。 職人の魂を木に打ち込むっちゅうことですわな。
職人ちゅうのは知識を頭で覚えるのではなく 知恵や経験や勘を身体に沁み込ませてゆく。 それには長い時間が必要だ。早道はない。 若者は耐えねばならない。 耐えることが出来た者だけが次のステップに進んでゆく。 体がきついと楽を考える。楽を考えたら終わりですわ。 技術を覚えるのに楽なんて無いということに気が付くまで ずっと遠回りせんといかんのです。 何もかも、その職で生きてゆくために自分が身に付けることだから 他人の目を誤魔化さずに手間と時間をかけて覚える以外には 一人前の職人になる早道はありまへん。 誤魔化しの許されない世界ですわ。
そして、功利なことを考えずに 時間をかけてもええから本物の仕事をやってもらいたい 誤魔化しやなしにほんまの仕事をやってもらいたい。 そう思います。
<宮大工棟梁:故 西岡常一氏の言葉>
道を極めた色んなジャンルの職人さんの 仕事や作品(実物)を見るのが好きでよく見に行ったりするのですが その仕事の一つ一つの中に職人さんの技術と人となりが見えて いつも感動します。 私は職人ではありませんがそういう仕事や作品を見るたびに 自分もそのような姿勢で仕事に向かい合っていこうと肝に銘じます。
もともと“自分に対してストイック”というのが好きなので その道を極める職人という仕事に憧れ尊敬します。 技術を磨くために最大限の努力(厳しい修行)をし 地道に追求し続けるその頑な姿勢に 人としての尊厳と美しさを感じます。 そして自分もそうありたいと。
世界から尊敬される日本の素晴らしい職人さんの 高い技術と精神(魂)がなくならないように願うばかりです。
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洒落者にはエロスのような悦楽の遊び心が存在する
by rondeism2
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