人気ブログランキング | 話題のタグを見る


読書:「無一物(むいちぶつ)」

以前から気になっていた
画家“熊谷守一”氏の本を読みました。

“書家の書”を超えた“画家の書”
約150点の作品(書)と名言録です。

読書:「無一物(むいちぶつ)」_f0202785_2258634.jpg

まさに「書は人なり」という言葉通りで
独特の感性で書かれた(描かれた)書と
綴られた言葉が
すごく味わい深い内容でした。
(実物の作品を観てみたいです)

1967年に文化勲章受章の内示を受けた時
「もらうと来客が多くなって
それでは困ります」
と言って断り
「勲章も金もこの世の大抵のものはいらぬが
お天道様だけは無くては困る」
と言ってたそうです。


読書:「無一物(むいちぶつ)」_f0202785_22583296.jpg
「人」という字、一字だけは書き難いです。
「人生」ならまだ見られるけど
「人」だけではなかなか“ひと”に見えない。
以前、頼まれて「人」の一字を
書いたんですが
なんとしても“ひと”に見えなくて
えらい目にあいました。
一山くらい書いたんじゃないですか。


読書:「無一物(むいちぶつ)」_f0202785_22585292.jpg

独特の感性で発せられた言葉ばかりですが
中でも、、、

「どうしたらいい絵が描けるか」と質問され
「バカな人はバカな絵を描きなさい。
下手な人は下手な絵を描きなさい」
と答えたそうです。

「自分の分際を忘れるより
自分の分際を守って生きた方が
世の中によいと私は思うのです。」

と、このような
“熊谷守一”氏の言葉の意味は
なんか、「ロンドの装道」にも
通ずるところがあるんですよね。

「装いも人なり」ですから。


<熊谷守一美術館>




by rondeism2 | 2015-07-05 20:38 | 読書
<< 音楽イベント 画家の素顔(石橋美術館) >>