千利休、古田織部に続いて、新時代の茶の湯の世界を確立し 名建築家、名作庭家として桃山時代から江戸時代を生き抜いた 総合芸術家“小堀遠州”の「綺麗さび」の世界観が 多くの作品(写真掲載)と共に紹介されています。
先達とは一線を画した遠州の美学とは、、、 桂離宮にも影響を与えた「遠州好み」は 遠州の好きなものという意味ではなく “わび・さび”の利休や“かぶき(傾き)”の綾部の主観とは違う 何にしても使う人あってはじめて成立するという 客観性に重きを置いた“思いやり・気配りの美”なのです。
「月満つれば則ち欠くる」 完全なひとつ手前のところが最も生命力があって美しい というのが遠州の美学「綺麗さび」と言われ 遠州には、日本独特の「自然(じねん)」と 意図的な「作為」の両極端の思想があり 自分の中にある沢山の引き出しを自由自在に組み合わせ その両極端のものを両方してしまうという 成型でありながら成型を消していくバランスの持ち主だったそうです。
<文中より> 建築的に見ても利休と遠州では対極ですからね。 利休は、それまでのしきたりをとことん一点に絞り込んでいった。 これが草庵のお茶室の「正」だとすれば 次の世代の織部はそれを全部ひっくり返して「反」の世界を造った。 すると今度は「合(ごう)」というのが必要になってくるんです。 「正」も「反」も取り込んでいるけど もうひとつ別の世界を開いていく。 これこそが遠州の特徴だと思うんですね。 三人が三様に非常に綺麗にある形を組み立てて 完成させていったのです。 (建築家:磯崎 新 談)
利休の美意識もかなり興味深いのですが 対極にある遠州の美意識と手法(演出)等も すごく興味深い内容でした。 もっと深く勉強して ジャンゴの服作りに役立てたいと思います。
この本を読み終えた後に、写真ではなく やはり本物の作品を直に観たいなぁと 切に思いましたねぇ。
by rondeism2
| 2016-06-29 20:52
| 読書
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洒落者にはエロスのような悦楽の遊び心が存在する
by rondeism2
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