人気ブログランキング | 話題のタグを見る


読書:「し」

この本は、以前紹介した「醜い花」の
“原田宗典”氏の著書で
表紙の「し」というタイトルに
興味が湧いて購入しました。

読書:「し」_f0202785_21183268.jpg

「し」から「子」「師」、、、「覗」までの
16の「し」について書かれたエッセイで
ついクスッと笑ってしまう文章も多くて
どの項も、哲学的な部分もあり
とても面白い内容でした。
中でも、「歯」と、
喫煙について書かれた「嗜」が
共感するところが多く
特に面白かったですねぇ。
また、「死」については
色々と考えさせられました。
最後の「覗」はかなり笑えました。
男ならその気持ち分かると思いますよぉ。
下ネタですけどね(笑)。



<文中より>
「師」について、、、
仰ぐべき「師」も「先生」もいない学校で
学んだ彼らは
尊敬するとはどういうことかを
実感出来ないまま
育ってしまったのだ。
気の毒な話である。
尊敬の何たるかも知らず
尊敬する人が誰もいない状態で
この世知辛い世の中をわたっていくのは
結構辛いものがあるだろう。
だから今の若者たちは無闇に宗教に走ったり
自分自身のことだけを尊敬して
引きこもったりしてるわけだ。
何という寂しい
殺伐とした生き方を選ぶことか。
このまま「師」不在の時代が続き
彼らが尊敬に値する人物に
出会うことなく時が流れたら
半世紀もしないうちに
日本は実に鼻持ちならない
社会になってしまうだろう。
誰にも敬意を払わず
自分のことしか尊敬しない人間が集まった
社会なんて
「社会」呼べるのだろうか
少なくとも私個人は
そんな社会に暮らすのは
御免こうむりたい。



文字を一つ一つ深く考察していくことの
面白さを実感しました。
感性の高い人の本を読むと
ものの見方や考え方など
色んな事に気付かされて
とても勉強になりますねぇ。

他にも色んな文字で
ぜひシリーズ化してほしいものです。




by rondeism2 | 2016-07-29 22:02 | 読書
<< VINTAGE GALLERY... DECO WORKS >>